ブライト・プリズン 学園の美しき生け贄/犬飼のの

ブライト・プリズン 学園の美しき生け贄 (講談社X文庫)

ブライト・プリズン 学園の美しき生け贄 (講談社X文庫)

(あらすじ引用)
深い森の中に佇む全寮制の王鱗学園で暮らす十八歳の薔は、様々な特権を受けるという神子候補の一人に選出されてしまう。神子を決める儀式とは男に身を任せることで、その相手は日頃から敵愾心を抱いている学園管理部隊の隊長・常盤だった。抵抗する薔に、突如、意外な事実を明かす常盤。彼の秘密を知り、次第に惹かれるようになる薔。隔絶された世界で生きる無垢な少年たちは、過酷な愛に溺れてゆくーー。

★★★☆☆

あああ、またひさびさの更新になってしまった…。ブログを続けられないのがわたしの悪い癖です。もとはといえば一度読んだ本をもう一回買ってしまわないように(よくあるんです…)始めた感想記録なのに!わたしのバカ!この3ヶ月間にも相当読んでるのに…!あとからこっそり足していこ…。

犬飼さんといえばラヴァーズ文庫の吸血鬼な薔薇シリーズという認識なわたし。今回は学園モノですが、薔薇シリーズと同じく閉鎖的な教団を舞台にしたお話でした。宗教とか信仰とかは犬飼さんの作風でもあると思うんですけど、宗教臭いのが嫌いな人は嫌悪しそう。絶対読めないようなゴシックっぽい漢字を使った人名をつけられるイメージもあるし。文章も読みづらいわけではないんだけど、独特な感じはすごくするし、心理描写というよりも状況説明が多いので頭に入りにくい…んだけどついつい読んじゃう、そんな作家さん。
主人公の薔(しょう)は運命に抗おうとする割と強気系な受け。神子というのはビジュアルが良いというのも重要なポイントなのですが、本人が自分の美に無自覚、というのは大変ツボでした。無鉄砲な感じもすごくいい。攻めの常盤に惹かれていく様もふたりの間の障害もあって燃える感じなのですが、最後に「え!!!」と思うようなとても重要な1文で締めくくられるので、次巻も買わなきゃいけないなこれ…という気持ちに。良い当て馬もいるのにまだスポット当たってないしね…ものすごくいろんな伏線がありまくりでわからないことだらけの序章の巻という印象。
あとがきにも続きもの、としっかり書かれているし脇役が魅力的なので次巻に期待! 個人的には薔と同じ「贔屓生」の剣蘭×常盤の元恋人で腹心の超絶美人(しかも長髪!)の椿のカプはこれから燃える展開になりそうで楽しみ。きっとわたしはこのふたりが好み。間違いない。
あそうそう、彩さんのイラストがすばらしかったことも記しておかないと!常盤はもちろんなんですが、薔が女々しくなくカッコ良くてトビラの人物紹介でのイラストイメージのまま読み進められたのがすごくよかったです。うっとりしちゃうくらい素敵!カラー口絵がなくても満足。犬飼さんは筆が早い方だと思うので次を楽しみに待ちたいと思います!
そして巻末の予告を見てびっくり。英田サキさんがホワイトハートで書くだって〜!?6月の予定らしいので期待しまくりで待ってます!どんなのだろーわくわくーーー